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■植え替えの準備で大事なのが「根回し」
樹木の移植で重要なのが「根回し」と呼ばれる作業です。既存樹木の移植、長く植え溜めにあった庭木の移植に先立つこと半年から1年前におこなわれます。樹木の移植にあたってもっとも基本的な技術です。
根回しとは移植のための下準備作業。細根の発生を促し、移植に耐えられる木にする目的でおこなわれます。
●剪定
まず剪定をして落葉樹は全体の三分の二、常緑樹では三分の一ほど枝を減らします(前号参照)。強剪定になりますので、樹木がそれに耐えられるくらいの体力がない場合は根鉢を大きくとるか、体力の回復を先におこなわなくてはいけません。
小さい木の場合は「葉こき」といって、葉を半分くらいむしり取る場合もあります。素手で枝のもとの方を握って、枝先に向かって一気に扱きあげるとちょうど良い塩梅に取れます。
●根鉢をとる
それから根鉢の大きさを決めます。一般的に根鉢の大きさは大きい木で幹の直径の4倍、小・中木で幹の直径の4〜7倍ほどにとれば問題ありません。小さい木ほど大きくとります。計り方は目分量でかまいません。詳細な値を求めたい人は、後述の移植の根鉢の大きさを決める式を参考にしてみてください。これよりひと周りほど小さくすれば、ちょうど良い大きさになるわけです。
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「根きり/俯瞰」
掘り出した根鉢を上から見た模式図。 環状剥皮して残した根(力 根)が各方 向に均等に残る ようにするのが望ましい。実際に偏りがあるので均
等に なるように適宜切ったり、支柱を添えたりする。
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●根切り
次いで樹木の周囲を溝状に掘ります。このとき細い根は切ってかまいませんが、5cm以上あるようなやや太い根はとりあえず切らずに残します。この溝の幅は人が入って作業しますから肩幅程度とされます。
このとき露出した根は側根(庭師はズクと呼びます)です。全部切ると倒れてしまいますから、四方にいくらか残して他の根は切ります。切らずに残す根は環状剥皮します。根を切る場合は引きちぎるのではなくて鋏などできれいに切り、切り口の直径が5cm以上ある場合は必ずナイフなどで削って切り口を滑らかにしておきます。これらの作業を根切りといいます。この切り口から新しい細根が発生するわけです。
側根が少ない場合は支柱をこのときに立てておきます。このあと根巻き(後述)をして、根鉢の底を掘りにかかります。
根鉢の底に根がない場合はそのまま掘って根巻きをします。根がある場合はそれが直根(庭師はタチと呼びます)です。直根も側根と同じように処理しておきます。この作業は上から土は落ちてくるし、狭くて思うようにいかないしで、うんざりする作業ですが、しないわけにはいきません。
以上の作業は一度におこなうのが普通ですが、移植力の弱いもの(言い換えれば発根する力の弱いもの)は根鉢の半分ずつ、あるいは三分の一ずつという風に1年以上かけて慎重に進めます。
●根巻き
こうして側根の処理が終わればコモや布、ワラの素縄をあてて縄でタル巻きにする作業をおこないます。この脇の部分を巻き終えたら根鉢の底を掘り、同じように巻いてゆきます。この根鉢をコモなどで巻く作業一切を「根巻き」といいます。
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「根きり」
掘り出した根鉢を横から見た模式図。まずはこのように側面だけを掘っ て根を処理する。

「根きり2」
側面の処理が終わり、側面をタル巻きにしたら底を掘って同様に処理 してゆく。
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●埋め戻し
このあとは元どおりに埋め戻しておきます。普通の畠の土のような土壌の場所なら気遣い無用ですが、砂質の土壌では発根が悪いのでそのような土地では掘りあげて溝になっている部分に黒土などを入れて発根を促します。
移植のときと違うのは土を突き入れるだけで水は与えません。最後に根鉢の周りの地表に環状の浅い溝(水鉢といいます)をめぐらし、水を流し込んで(これをうわ水といいます)終了です。
以上は基本的な手順。高さ2m以下の小さい木ならそこまでする必要はありませんし、スコップを根鉢の大きさ分ぐるりと深く差し込むだけで済ます場合もあります。
半年から約1年後には根の切り口や環状剥皮した部分から新しい根が発生していますから、全体を掘りながら再び根巻きし、任意の位置に移動させることになります。
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「埋め戻し」
根巻きを終えれば溝を埋め戻す。もとの土壌が良い土ならそのまま埋 め戻して良いが、砂質土壌の土地では黒土などの良い土で埋め戻す。少し肥料を混ぜ
ても良い効果をあげるが、控えめにすること。

「根回し後」
根回しのあと、およそ半年から一年後の状態。切り口からは多数の新 しい根が伸びだし、移植に耐えられる状態になっている
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